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浜たより 医療法人富田浜病院広報委員会 TEL059-365-0023
http://tomidahama.jp
浜 た よ り
発行:医療法人
富田浜病院
編集:広報委員会
平成 28 年
12 月号
№134
富田浜病院グループ広報誌
山本 秀樹 副院長
冬の到来により,気温が下がり空気が乾燥してくると体調を崩しやすくなりま
す。抵抗力が落ちると風邪症状の悪化から肺炎を来すケースが近年増加傾向にあり
ます。そこで,今月号のトピックスでは「肺炎」について,富田浜病院副院長 呼
吸器外科医の山本秀樹先生にお話しを伺いました。
●呼吸を担う「肺」におこる炎症が「肺炎」です。
呼吸を担っている肺に起こる炎症のことをまとめて肺炎と言います。炎症の起
きる場によって、ガス交換を行う肺胞に起きる
肺胞性肺炎
と、肺胞を支える場所
に起きる
間質性肺炎
があります。肺内の炎症性変化の広がりと分布により,肺
葉全体に炎症性変化の及ぶ大葉性肺炎と,主として気管支とその周囲の肺胞
組織に散在性に炎症を起こす
気管支肺炎
(小葉性肺炎)に分けることもありま
す。また原因による分類では、大きく分けて病原性微生物による感染性肺炎と、
それ以外の非感染性肺炎があります。感染性肺炎の原因は細菌、ウイルス、真
菌、マイコプラズマなどです。非感染性のものの原因は、アレルギー、化学物質
●65歳を境に死亡率は上昇!
日本における全年齢での肺炎の死亡率は、第1位の悪性新生物
(癌)、第2位の心疾患、第3位の脳血管疾患についで第4位ですが、65
歳を境に肺炎の死亡率は上昇し、85 歳以上では第3位、90 歳以上では
第 2 位となっています。
●しつこい咳が続く場合は「マイコプラズマ肺炎」を疑います。
マイコプラズマという菌が肺に感染して起こる病気です。しつこい咳と
発熱が特徴ですが、呼吸音には異常がなく、外見だけでは分かりにくい
肺炎です。好発年齢は 10~30 歳代ですが 60 歳以上の方も感染するケ
ースがあります。潜伏期間は 2~3 週間と長いので周囲にマイコプラズマ
にかかった人がいたら、しばらくは注意する必要があります。
●日頃からマスクと手洗い・うがいの徹底が予防に有効です。
日頃の感染予防としてはマスクの着用とうがい・手洗いがあります。口
腔内を清潔にし、誤嚥に注意する事も大切です。規則的な生活を心がけ、
バランスのよい食事と十分な睡眠をとり、抵抗力を落とさないようにしま
す。またインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種も有効です。
●風邪症状に類似した症状です
。
せき・たん・高熱・呼吸困難・胸痛などの
症状が代表的ですが、高齢者では典型的
な症状が出ない、いわゆる“
隠れ肺炎
”も
みられます。